
塚田貴士です。
今回はボクが原型を担当したマウンテンゴリラの原型制作について書きたいと思います。
言ってなかったですが、前のライオン、アフリカゾウはマテリアルはグレイスカルピーだったんですが、マウンテンゴリラはプリモとスーパースカルピーを混ぜたモノです。使っている方がいたので真似してみました。
焼いてみるとちゃんと固まったんですが、なんだかゴムっぽい感じになりました。一応固いけど、柔らかいみたいな。柔軟性です。感想はグレイのがスキかなーです。
ゴリラを造ろうと決めてまず最初に、顔、腕、胸を造りたいと決めて、資料が多いニシローランドゴリラに決めました。
ちゃっちゃと進めていたのですが、また
大山竜さんがマウンテンゴリラの方が毛が長くってイイヨね、バケモノっぽくていいよねと誘惑するのでう~んと悩んでいる間にマウンテンゴリラの資料が結構載ってる本を古本屋で見つけたりして結局マウンテンゴリラにしました。
大きくなりすぎて一度造り直したり何なりでここまでで一週間かかってしまいました・・このシリーズは実質二週間くらいで完成が目標なんですけどね・・・
ところで、ゴリラを造ると決めた時点で完成した時のボリュームがすごくなる事は安易に予想できたので(デカデカ病なので・・)気をつけていたのですが、左腕の肉を盛った時くらいにシルバーバック(※下記参照)の存在を思い出してこりゃー背中造くんなきゃダメだなーと気づいて途中で胸削ったり、右肩あたりを削ったりして調節しました。
でもやっぱりゴリラは腕太くしたいなーとか顔をよく見せたいよなーとかで結局ボリューミーなヤツになってしまいました。
てなわけでマウンテンゴリラは少しお得です。
マウンテンゴリラの製作記を
TINY4に載せてますのでまた御覧ください。
今回はエアブラシの黒立ち上げの塗装解説書だったのですが、毛のモールドが深くできたのでライオンのような筆塗りをしても楽しいと思います。皆さん好きに楽しく塗っちゃってください!
またマウンテンゴリラの筆塗りの解説書付きのも販売しようかという話も出てますのでお楽しみに!
※シルバーバックとは
オスは、若いうちは背中も含めた全身の毛が黒いのでブラックバックと呼ばれるが、成獣になると背中の毛が白銀色になることからシルバーバックと呼ばれる。シルバーバックは大型の者は身長1.8m、体重は200kgを越える。群れは1頭のシルバーバックを中心に、数頭のメス、そして子供達から構成されている。(ウィキペディア参照)
下記は造型時に参考とした資料です。
参考資料
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ライオン、アフリカゾウ、マウンテンゴリラの原型を担当した塚田貴士です。
今回はボクが原型を担当したアフリカゾウについて書きたいと思います。
実はこのアフリカゾウはボクがGILLGILLに入るきっかけとなった作品なのです。
その頃はなかなか造りたいモノというのが見えてない時期でした。
以前の仕事を辞めて、次の仕事と同時に今まで造っていたモノとは違うものが造れるキッカケを探していた時に、GILLGILLでこんな商品を開発しているよ生物が好きならやってみたらという話を聞いて早速アフリカゾウの頭を造りました。
そしてGILLGILLに持って行ったところ、なかなか好評で『他に作品あったらまた持ってきてください』と言っていただきました。
それからあまり日にちも経たない内に、以前造った商業原型の複製品などを持っていってまた見てもらい、何度か遊びに行かせてもらった時にいっしょにやらないかと声をかけていただくという運びになったのでした。
なぜゾウの頭を造ったのかというと、単純におもしろい形だったからなのです。今思うと、その時の持っていた能力でできる一番イイモノを選んだんじゃないかなと思います。
その時に毛モノなんかをやってたら全然できなかっただろうな~
という訳で実は頭だけライオンより先にできていたのでした。
ライオンが終わり、少し商業原型をやってから再びアフリカゾウを造りはじめたのですが、頭できてるしベースできてるし、まぁラクショーーと思っていたのですが、またまた苦戦を強いられたのでした。
まず、頭部はほぼできていたので、ベースに合わせて身体を造ることにしました。
ライオンが右腕なので、まずは単純に左腕を造ったのですが全然よくない。胸?辺りまで造ったのですが一度なしにして、両足を途中までにして造り直してみるとこれがなかなかイイ感じ。
鼻と牙と足でゴチャゴチャしていたのがスッキリして、ベースと鼻牙との間にイイ具合に空間ができて全体的に気持ちいい構成になって大成功です。
しかし、分割でも少し悩みました。
ボクは、スカルピーを焼いてから分割するやり方をやったことがなくて、なんとかどこも切らずにいけないものかと考えました。
しかし、真空脱泡機を所有し、御自身で商品を生産されているG-tempestの渡辺さん
http://g-tempest.com/や何人かの方に相談してみた所やはり耳の後ろで分割すべきと判断して今の状態になりました。
やっぱり少し欠けたり、分割ラインがクッキリわかるようになってしまいましたが、修正をしてできるだけ目立たない位置で分割が出来たと思います。
そんなこんなでやっぱり苦戦しましたが、出来の良いモノになったと思います。
今見ても一番上手くできたんじゃないでしょーか?顔がおもしろい形に造形できたので、上から光を当てて正面から見てもらうとなんかかっこいいです。見ごたえあります。影の落ち方もよし。全体のシワの強弱もちょうどよし(好みによりますね)。ベースに合わせた時の空間構成が上手くいったので、斜でも横でも見ごたえあると思います。
なんか最後は自画自賛だ。。
基本、自画自賛スタイルです。言うてるだけで実際はよく悩んでます。。
上を向いて歩こうです。
次回はゴリラについて書きたいと思います。
下記は造型時に参考とした資料です。
参考資料
ビジュアル博物館 象 [同朋舎出版]
動物(ニューワイド学研の図鑑) [学研]
動物のくらし ほ乳類・鳥類・両生爬虫類(ニューワイド学研の図鑑) [学研]
ライオン、アフリカゾウ、マウンテンゴリラの原型を担当した塚田貴士です。
今回はライオンについて書きます。
ライオンは僕がGILLGILLに入ってからの記念すべき第一作目の作品です。
なぜ初めにライオンかというと・・・それよりもなぜネイチャーシリーズなのか?ですね。
そもそもプラクティスキットはGILLGILL店長さんが考えられた、一般の方にも色を塗る楽しさをわかってもらいたいという思いから出来た商品なので、ずっと売れるもの、一部のマニアだけじゃなくGKどころかフィギュアのことを全然知らない人にも手に取りやすい商品、題材として考えたのがプラクティスキットでその中でもネイチャーシリーズだったのです。
そしてネイチャーシリーズの第一作目となれば、やはり百獣の王だろうとあまり人の意見も聞かず、勝手に決めてしまいました・・
いろいろ考えつつも造りはじめたのですが、なかなか上手くいきません。。
思い起こせば、生物っぽい造形が好きで造りたい造りたいと言いつつ、ちゃんと造った事なかったなー。。以前はウルトラマンや仮面ライダー等の食玩をいくつか造らせてもらっただけで、個人的に造っていたモノは完成すらした事がない状態。
そういえばボクはいつもぶっつけ本番今までやった事ないけど自信あると言って造ってた事が多かったな。。
今は自分の向き不向きもわかってきましたb
やっぱ生物系が好きだなー。でも仕事で細かいメカっぽいのを造ったりしとります。
まぁ話を戻して・・
特に、たてがみが全然上手く造れず、ずーっとイジってました。。たてがみは未だに心残りです。機会があればまた挑戦したいですね。
でもでもこのライオン自体はネイチャー3つの中では一番気に入っております。象の方が上手く出来てるとは思うのですが、実際のライオンをそのまま造るのではなく、自分のイマジネーションを上手く取り入れれたなーと思っております。なので気に入っております。
なに造っても、誰が見てもおおこれは塚田の造ったヤツだなと言われる様になりたい。
ベースはまたすごく苦労しました;
しばらくデザインを考えていたのですが、なかなか上手くいかず、旋盤で削り出したいくつかのパーツをもらってそれをくっつけてベースの下半分にし、そこからポリパテでベース上半分の形を出しました。
これを
フィギュア作家の新世界展に間に合わさなければいけなかったので、東京へ搬送するギリギリの時間まで必死で作業していました。
しかし、ギリギリの状態で生まれたこのベースなかなか好評で、自分でもいいラインがでたなーと感心してしまいました~
そして、顔だけじゃ剥製みたい・・と言われたり、確かにこれじゃー・・でもコストが・・という葛藤が頭を悩ませていたのにそんな自分の抑制をぶち壊して、このベースのデザインを思い付いた時点で、よし腕も付けよう!と、コストだなんだ関係ない!すこし値段が高くなっても、こっちの方が買ってもらうみんなに喜んでもらえる!!と確信を持ってからはベースもライオン本体もすぐに仕上がりました。
今思えば誰も顔だけで造ってなんて言ってなかったかな。。まぁいいや
次回は象について書きたいと思います。
下記は造型時に参考とした資料です。
参考資料
野生の大地―森田千恵子写真集 [東方出版]
動物(ニューワイド学研の図鑑) [学研]
動物のくらし ほ乳類・鳥類・両生爬虫類(ニューワイド学研の図鑑) [学研]
ディズニー幼児ずかん4 ライオン・とら [講談社]
動物ワールド 田中光常

ネイチャー・シリーズ[No.3/マウンテンゴリラ] は、エアブラシ塗装の基本技術の一つであるグラデーション塗装(黒立ち上げ)の練習を目的に企画いたしました。
このテクニックは、立体造形物の塗装の基本に用いられ、重厚な色味を得ることができます。
【内容物】
・本体部品×1
・台座パーツ×1
・工作,塗装ガイド×2
・基礎テクニックガイド×3
・見本写真×7
これはプラクティスキットの製作レベル?になります。
組み立て作業は本体部品と台座パーツをはめ込むだけの作業となっております。
塗装技術としては☆二つにあたるエアーブラシを使った塗装方法のテキストを同梱しています。

ネイチャー・シリーズ[No.2/アフリカゾウ]は、エアブラシ塗装の基本技術の一つであるグラデーション塗装(シャドウ入れ)の練習を目的に企画いたしました。
このテクニックは、立体造形物の塗装の基本に用いられ、殆どの塗装の基礎となる技術となっています。
【内容物】
・本体部品×4
・台座パーツ×1
・工作,塗装ガイド×2
・基礎テクニックガイド×4
・見本写真×6
これはプラクティスキットの製作レベルⅠになります。
組み立て作業はライオンとは違い、頭部パーツにキバ×2と胴体パーツをはめ込む作業が必要です。
塗装技術としては☆二つにあたるエアーブラシを使った塗装方法のテキストを同梱しています。